メタルチャームを外注しようとすると、それなりの数指定があります。 即売会にサークル参加されるような方ならそれでも良いかもしれませんが、ちょっと個人で頼むには金額も在庫もかさんでしまいます...。(金型代もあるので、数個から受け付けてくれるところは見かけませんでした。 最低発注数はだいたい100個~が多いです。)
なので、数個から自作できないかと考えていた時に目にしたのがこちら、
『 虎々ちゃんの創作日記 第23話「ペーパーナイフを作ろう」 』
http://www.toranoana.jp/coco2/comic/sousakunikki/0023/index.html
(上記のペーパーナイフに限らず、この「虎々ちゃんの創作日記」はそのまま創作の参考にもなりますし、読み物としてもなかなか楽しいので おすすめです。)
上の記事を簡単に説明すると「ペーパーナイフを鋳造によって作る」という内容です。 金属加工という意味で似たようなことができないかなと思い、今回のメタルチャーム鋳造を試してみました。
まぁ、鋳造面白そうだしね。
主な手順は以下の通り。
・複製元を用意 (イラスト作製・はんこ発注)
・シリコーンで型取り
・鋳造/後処理
(・墨入れ )
複製元の用意
シリコンで型取りする際の複製元として、はんこのゴムを利用しました。 イラレデータなどを入稿してオリジナルスタンプを作ってくれる業者さんに外注しています。
ゴム印のゴム 線間距離が短いと谷が浅くなる
●メリット
・きれい
・それほど高くはない
今回ので1500円くらい
●デメリット
・すそのが広い
線の間隔が狭いと、谷が浅くなってしまう
・そのまま使うにはゴムは加工性が良くはない
カッターでは切りずらい
・ブルーミックスが使えない?
硬化不良を起こすみたい
・分厚くなる
ゴムは加工性があまり良くないので、ゴム印をいったんエポキシなりで複製&加工(溝堀り)して複製元とすることで谷の深さは改善できそうです(手間は増えるけど)。
はんこを発注する際に左右反転したため、通常のハンコとして使えないんですよね... 服の向きが逆になっちゃうので。
一応、イラストも自前で用意しています。 一番時間がかかったのはこのイラストの用意だったかも。
シリコーンで型取り
当初は(少量から買える)ブルーミックス&オープントップ型を試していたのですが・厚さの調整が難しい
・表面がボコボコになる(ブルーミックススキルの問題...)
上記理由から断念。
ブルーミックスの型 孔がボコボコ空いてる...
(当然ですが、おゆまる型に金属を流すと型が溶けます(試しました))
鋳造/後処理
フライパンで金属(亜鉛とビスマスの合金らしい)を溶かして型に流します。
フライパンで溶かして シリコーン型に流し込む
型を開いたところ
型に流し込んでいる途中で固まり始めるので、通常と逆の口から金属を流しこんだ
表面にボコボコが残る
(コンパウンドで若干磨いた後)
ブルーミックスの時ほどではありませんが、表面のボコボコ感が残ります。 溶けた金属とシリコーン型の温度差が原因かなと予想してます。 シリコーンもろとも過熱(もろもろまるっとオーブンにぶち込む)して、さらに脱気(減圧)できればいいのかなぁ。
表面のぼこぼこ感をなくそうとコンパウンドなりで磨いてみても、溝の内側まで磨かないと線のエッジがギザギザになります。
\重厚感/
ただし、メタルチャームといっても、亜鉛とビスマスの合金(融点140度弱)では爪でも傷つきそうな柔らかさになってしまっています。 実用に耐えるものなのかも今後確認していきたいですね。
墨入れ
ついでにメタルチャームに墨入れしてみました。紫外線硬化樹脂にプリンタ用インクで色を付けて、太陽光にさらして(10~30分くらい) 固めてみました。 各溝に着色した樹脂を流し固めたあと、最外層にクリアをもってトップコートしています。
墨入れ後
どうもマゼンダは色が抜けやすい気がします(紫外線に弱い?)。 なので肌色を作るときにマゼンダを少し多めにしたら、今度は濃すぎたかも...。
一般的なメタルチャームみたいに地の色が黒っぽくもない(ニッケルメッキをしていない)ので、あえて透明感を残してステンドグラス的な仕上げにしてみようと試みたんですが。。 これくらい重厚感のあるチャームだと、むしろ墨入れは不要かもですね。
まとめ
初めて鋳造をしたけど、型から金属をはがした時のドキドキ・わくわく感は良かったです。 この感覚は久しぶりでした。今後はこの方法の改良版だったり、ほかの方法もいくつか試してみたいなと模索中。