2023年6月7日水曜日

アクスタ涼月&猫 設計記録

2023/6/4に開催された神戸かわさき造船コレクションに合わせて作ったアクスタについて、備忘録も兼ねて簡単にまとめてみようと思います


みずに です 実に5年以上ぶりのブログ更新です

さて今回は 先日6/4に神戸で開催された神戸かわさき造船コレクションに合わせて作ったアクスタ?についてまとめてみます


はじまり

イベントに合わせて何か作りたいなって考えてた時に、「レーザーカッターとUVプリンタを使える環境にあるからアクスタでも作ろうか」と考えたのが始まりです
せっかく好き勝手にアクリルを切れるのだから、ギミック付きにしたいなと
そこで、「猫を撫で続ける涼月のアクスタ(オートマタ)」を考えました


設計&実装

設計の手順は以下の記事を参考にしました

(いつかこの記事くらいにダイナミックな動きを再現してみたいものです)

大まかな順序は以下の通りです
 ・下絵の用意(下絵のイメージはGIFアニメ)
 ・動きの設計(リンク機構の設計)
 ・実データの設計(カットデータや印刷データの設計)
 ・加工/実装
基本的にはGIFアニメをベースに上手く機構を作り上げていくイメージですかね

下絵&動きの設計

まず下絵をなんとなく描いて、尻尾と腕をだいたいどんな風に動かすか思い浮かべます
次に、上記の記事と同じように機構解析ソフトでなんとなくアタリを付けてみます(たぶんこの作業も次に出てくるCADで出来たと思う)

記事と同じように、イラストを薄っすら透過させながらリンクを検討

その後は、Fusion360でそのアタリを調整しながら3Dモデル化してみました

Fusion360で作ったモデル

Fusion360でモデルを組んだのは、このCADで動作をシミュレーション出来るからです
部品が干渉しないことの確認と、思ってたような動きになるかを確認します

Fusion360上で動かしてみた様子

たぶんここまでのメカ設計が一番苦痛で楽しいところ
(実は、設計当初はもうちょっと細かい動きを考えていたんだけど、イベントの日程とにらめっこして、ある程度簡易的な動きで まず作りきることを目指しました)


レーザーカット&UVプリント

前までで動きはだいたい完成なので、次はレーザーカッターの切り出しデータとUVプリンタの印刷データを作ります
Fusion360のデータを出力(DXF)して、元のイラストと合わせてイラレなりに取り込みます
ここで、動作のない部分(涼月と猫のレイヤー)のカットラインなども描きたします
レーザーカットのデータ 色によってレーザーカットする順番を調整している

あとはそれらのデータを元に実際にアクリルをレーザーカットします
レーザーは幅をもつので、例えば10mm四方の四角のデータでカットすると1辺が9.6mmくらいの正方形が出来ます
その切り幅の分、カットデータを微修正しました
レーザーカットしたパーツ

次にUVプリンタで印刷です
印刷データを作る時に、「白レイヤー」も作っておきます
通常UVプリンタで印刷するときは、白いレイヤーを入れます
(アクスタを後ろからみると、多くのものは白く塗られてると思います)
(白を入れないと、クリアカラーになります)
白用のデータ これとは別に腕と尻尾のデータも作ります

印刷されたパーツ

組み立て

くるくる回転させる部分の軸はアクリル棒を適当な長さに切って実装してます
また、接着剤(アクリサンデー)で固定以外にも、ある程度印刷データをツメていけば圧入によって組み立てることも出来ます
涼月は接着剤と圧入が混在してます

使った工具など

印刷データのツメが甘くて、自分でやすり掛け等をして微調整もしました
今回は日程的に余裕がなくリテイクがきかなかったので、何種類かデータを切り出しつつ手加工で対応してます(なので、家にはまだ涼月6人分くらいの組まれてない部品があります)
穴の径が予想より細くなってしまったので、ピンバイスで開けなおしている の図

ちなみに今回会場に持って行ったのは最後まで組まれた状態のものが2セット
もしも輸送時に破損しても現場で部品交換できるように部品状態のものが2セット
イベント開始前後でちょっと調子が悪かったので、一部部品を入れ替えて対応しました
即売会会場で修理される涼月と猫

完成

無限猫撫涼月!!!

完成です
後ろにサーボモーターを仕込んで、無限に回転できるようにしてあります
モーターを外せば、手動で取っ手を回すことも出来ます


今回わかった課題点

ソフトの多用
まずは、あまたのソフトを行き来しているために、寸法情報の扱いが怪しかったところ
カッターやプリンタへの最終データ出力がイラレベースの環境だったので、自分もイラレを入れた方が良かったですね
あとはちょっとソフトの行き来の影響で白レイヤーがズレてしまっているところもありました、これもイラレを入れれば解決しそう

サーボモーターがうるさい
うっすらと「ジーーー」っと鳴り続けます
実際に即売会場で運用すると、声をかき消すほどではないですが、ストレスですね
ギアをやめてプーリーで組むとか?

今後とまとめ

上の問題点を解消しつつ、猫を撫でる感じとか猫のしっぽの感じをもっとそれらしく表現できらた、より楽しくなりそうです(もちろん、リアリティこそが至高ではなく、簡易的な表現の方が好まれる場合もあるでしょう)
また、アクリルは厚みがあるからオートマタとの相性は若干疑問だったんですが、そんなに悪くなかったですね 個人的には画用紙とも相性はよさそうなの気がするので、そのうち紙でも組んでみたいです 

オートマタの可能性?をもうちょっとあがいてみたいですね(伊豆とか山口県にオートマタの美術館があるので行ってみたい!!!)


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楽しかったです、この工作も神戸かわさき造船コレクションも!
これを見るためにスペースにきてくれた方もいました!
(ツイッターでも久々に4桁ファボもついてたみたいで!)

最後まで作りきると色々見えてもくるし、とりあえず完成させるのは大切ですね
「まだもっとうまく作れる」「次はどこをどう改善させてみようか」「こんなネタはどうだろう?」って、考えが出てきてワクワクです
久々に自分にとっての新ジャンル開拓でよかった

みなさんもオートマタ沼にはまりませんか?